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現代数理統計学の基礎 第2章 問11, 12

問題文

問題文は、こちらより引用しています。
MathStat_Answers.pdf - Google ドライブ



また、模範解答は上のpdfのp.41から記載されています。

方針(問11)

4つのパートに区切る。

確率関数になることを示す

ここは、以下の2つを満たすことを示せばOK

  •  f(k) \geq 0となること
  • 合計が1になること

合計を計算するときは、無限等比級数の和を考える必要がある。
初項をa、公比をrとしたとき、 |r| < 1 の時  \dfrac {a}{1-r}となる。
それを計算すると1になる。

確率母関数の導出

こちらも無限等比級数の和を計算する。
ただ、またしてもsの範囲が引っかかる。
公比が \dfrac {s}{2}なので、範囲は |s|<2かと思いきや、解答では 0 < s < 2 になっている。
よくわからないが、sは正の値なのか?ここもわかる方コメント募集。

積率母関数の導出

同じく無限等比級数の和を計算する。
tの範囲は、私の考えだと t < log2 だと思うが、模範解答にも書いてなかった。
公比が \dfrac {e^{t}}{2}なので、 -1 <  \dfrac {e^{t}}{2} < 1となれば収束する。
ただ、 \dfrac {e^{t}}{2}はそもそも0より大きいので、 \dfrac {e^{t}}{2} < 1を解けばよい。
結果、 t < log2 となる。

E[X(X-1)…(X-k+1)]の導出

確率母関数 G(s)のk回微分を求めて、s=1を求めればよい。
k回微分は問10の(2)と同じように帰納的に考える。

方針(問12)

(1)

そのまんま計算。分数の割り算に注意して積率母関数を導出する。
平均と分散を考えるときは、ロピタルの定理を使う。意外と計算は短く済む。
あと、 f(x)=1, 0 < x < 1なんだからどう見ても平均は1/2だよね、という検算もできる。

(2)

現代数理統計学の基礎のp.25にある、平方変換 Y = X^{2}の変換
 f_{Y} (y) = \{ f_{X} (\sqrt{y} ) + f_{X} (-\sqrt{y}) \} \dfrac {1}{2 \sqrt{y}}
を使う。あとは、yの範囲も忘れずに出すこと。

平均と分散については、積率母関数などを使わずに普通に積分で解く。
yの何乗のような形で表せる確率密度関数の平均や分散は、通常の計算方法が一番楽に計算できる。

(3)

 Y = -log(X)の変数変換。
普通に考えればよいのだけれど、微分の部分は絶対値であることに注意。
普通に x = e^{-y} をyで微分するとマイナスがつくが、絶対値なので正になるところに注意。

平均と分散は、積率母関数M(t)から導出する。
その際、問10のようにまた発散する/しない問題に直面するが、最終的にt=0を入れるんだから収束するとして計算できる。

(4)

変数変換は単純。
ただ、平均と分散については、(2)と同じく積率母関数ではなく普通に積分で求めるのが楽。
 E[Y^{2}]の計算の際は、 a^3 - b^3 = (a-b)(a^2 + ab + b^2)因数分解使って解くと楽。
余談だが、この因数分解の式が思い出せなくて、絶望した。脳みそがツルツルになってきている。

感想

やっていることは結構パターン化されてきましたね。
変数変換の時の符号、母関数導出の際の範囲、平均分散求めるときの楽な方法などがポイントでしょうか。
このあたりは何度もやって定着させたいところ。